白血病細胞核酸代謝にかんする研究
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概要
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ヒト白血病細胞の核酸代謝を14C-蟻酸の白血病細胞核酸塩基への転入という動的な面において把握するとともに,抗白血病薬が14C-蟻酸転入に及ぼす影響について検討した. 14C-蟻酸の転入実験よりすると,各白血病および白血球増加疾患中では,急性骨髄性白血病>骨髄線維症・感染症>慢性(骨髄性,リンパ性)白血病の順であり,各核酸およびその塩基間では, RNA>DNA, DNA塩基ではthymine>adenine>guanine, RNA塩基では, adenine>guanineの順であつた.抗白血病薬の転入率に及ぼす影響をみると, 6 MPは各感血病で10-3〜10-5Mの濃度で両核酸塩基への転入抑制を認めた. cyclophosphamide (Endoxan, 以下CP)はほとんど各白血病への転入抑制を認めない. in vitroではCPが活性型になり得ないためと考えられる. mitomycin Cでは1〜100 μg/ml, prednisoloneでも10-3〜10-5Mの濃度で両核酸塩基への転入抑制が認められた.かゝる薬剤は, in vitroでもCPを除きヒト白血病細胞核酸代謝を障害することが示唆された.
- 社団法人 日本内科学会の論文
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