異型大動脈絞窄症の1例
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概要
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15才の女子にかなり広い範囲の狭窄のある異型大動脈絞窄症をみたので,ここに報告する. 8才の時心肥大,心疾患を指摘され13才ごろからどうき,胸痛,両下肢の冷感を訴えるようになり,次第に自覚症増強,呼吸困難を加う.上肢における高血圧,血圧の左右差,左側橈骨動脈の触知困離,下半身血圧測定不能。胸部X線単純撮影上,左心室の拡大,肋骨のnotcning,下行大動脈狭窄の所見あり,血管心臓造影にて胸部大動脈の狭窄,左総頚動脈起始部の狭窄,左鎖骨下動脈の完全閉塞,側副路の異常発達の所見をみる.そのほか上記狭窄部位に一致して雜音を聽取するなど,臨床像および諸種検査成績から異型の大動脈絞窄症と考えられる.さらに本症の成因として先天性一部後天性特に炎症性を思わす変化がみられ,今後この種の疾患の病態の解明に役立つものと思われる.
- 社団法人 日本内科学会の論文