肋膜の病態生理にかんする研究 : 肋膜炎の肋間動脈および胸腔内諸動脈系におよぼす影響とくに合成樹脂鋳型標本による観察
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概要
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肋膜にはなお未解決の問題が少なくないが,教室で行なつている肋膜の病態生理究明の一環として,肋膜炎の推移による肋間および気管支動脈系の変化を追求すべく,家兎にテレピン油実験肋膜炎を作成し,主として合成樹脂鋳型標本と病理学的およびX線学的立場によつて,その経時的変化を比較観察した、健常の血管に比して,肋膜炎では,その生成の初期より患側肋間動脈に怒張および蛇行などの異常所見が出現し,以後さらにこれらの変化は増強し,あるいは強い吻合像などもみられ,その後蛇行像のみの残存する例も増加する.一方,気管支動脈系では高度の縦隔肋膜炎を随伴した場合かあるいは肋膜のみならず肺になんらかの病巣がみられる時に限つて著明な変化をみるのが常で,単なる肋膜病変では異常はなく,その他の知見とともに,健常時にみられない病態に対応する該血管系の態度をある程度明らかにしえた.
- 社団法人 日本内科学会の論文
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