腎の循環および代謝に及ぼす水, PAH, 葡萄糖ならびに数種の薬物の影響について (腎靜脈カテーテル法による実験的および臨床的研究)
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概要
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腎の循環及び代謝に及ぼすepinephrine, nor-epinephrine, Lanatocide C, probenecid, phlorizin及び大量の萄葡糖, PAH, 水の投与による影響を観察するため, 25例の健常者, 高血圧患者, 腎・心疾患患者及び11頭の犬につき腎静脈カテーテル法を施行し, 次の結果を得た.epinephrine, nor-epinephrineは腎血管を収縮させるが, 糸球体濾過値は比較的一定に保たれる. 又腎酸素消費量の増加がみられた. Lanatocide Cでは腎血流量の増加がみられるが, 尿量増加は7例中2例にすぎず, これは糸球体濾過値の増加によるものと考えられる. 腎動静脈血酸素較差も不変で, 腎に対する作用は間接作用と考えられた. Probenecidでは腎PAH除去率の低下はあるが, 腎循環には影響がない. 腎酸素消費量は軽度増加の傾向がある. Phlorizinは糖尿とともに著明な利尿をみ尿細管水再吸収率の低下が著しい. 血糖値は低下するが, 腎動静脈血糖較差には一定の影響がない. 又腎循環及び代謝にも一定の結果がえられなかつた. 高張萄葡糖液大量静注時には滲透圧利尿, 腎血流量軽増, 腎PAH除去率の低下, 腎酸素消費量の減少が観察される. 又このとき腎糖新生乃至遊出が考えられた. PAH大量附加では滲透圧利尿と腎PAH除去率の低下がみられるのみで, 腎循環及び代謝には影響がみられない. 水利尿時には腎循環には影響がないが, 腎酸素消費量は滲透圧利尿時とことなり, 軽度増加の傾向があつた.
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