慢性肝疾患における抗カルモデュリン抗体の臨床的意義に関する研究
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概要
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慢性肝疾患,膠原病,悪性腫瘍における仔牛より精製したカルモデュリン(CaM)に対する自己抗体の出現を報告した.抗CaM抗体の測定は酵素抗体法によった.抗体陽性血清と,CaM結合アガロースとを反応させ,酸性グリシンによる溶出分画中に,抗CaM抗体活性を認めた.抗体活性は,アクチン,仔牛胸腺DNAによる吸収では,低下しなかったが,CaM,家兎肝細胞膜分画および肝ホモジュネート77,000g上清分画による吸収で,低下した.IgGクラスの抗体は,肝疾患51.2%,膠原病25.2%,悪性腫瘍41.2%に認め,正常人(0%)より高頻度であった.IgMクラスの抗体は,それぞれ36.9%, 3.9%, 0%, 5%で,肝疾患,特に肝硬変は高頻度であった(p<0.02). IgAクラスの抗体は,肝疾患(28.9%),膠原病(15.5%)で,正常者(4.3%)より高頻度であった.抗平滑筋抗体の出現とは相関しなかった.
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