ウイルス性慢性活動性肝炎の急性増悪時における血中免疫複合物の動態とその性状について
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概要
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Clq binding testを用いて各種肝疾患における血中免疫複合物〔circulating immune complex (CIC)〕を検出し,その性状を検討した.HBs抗原陽性無症候性キャリアではCICレベルはほぼ正常であったが,慢性活動性肝炎や肝硬変においては高値を示した.急性肝炎,慢性活動性肝炎や劇症肝炎患者のCICは19s〜22sの領域と7s〜19sの領域の二つの領域にそれぞれ検出された.慢性活動性肝疾患の急性増悪においてはCICはSGPTのピークの1〜5週間前および後にピークに達した.一例のHBs抗原陽性慢性活動性肝炎患者のCICは酸性緩衝液中で解離され,SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動にて5〜6の分画に分けられ,そのうちの2分画はHBs抗原とIgGであった.この症例の急性増悪においては,どの時期においてもCICの分画パターンに変化がみられず,HBs抗原は常にCICを構成する抗原の一つであることが明らかになった.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
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