原発性胆汁性肝硬変および自己免疫性肝炎とHLA,とくにDR座との相関について
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概要
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原発性胆汁性肝硬変(PBC) 22例と自己免疫性肝炎12例について,HLAを検索し,これらの疾患の免疫遺伝学的背景について検討した.PBCについては,HLA-A, B座では,A9, A10, B5が増加傾向を示したが,推計学上有意ではなかった.DR座では,DR2が,推計学上有意の高頻度(68%vs. 30%, X2corr.=7.660, p<0.007, Pcorr.<0.042, RR=5.00)を示し,PBCの成立に免疫遺伝学的因子の関与が推測された.PBCにおいて,皮膚掻痒感,黄疸などの症状の有無や,sicca症候群の合併の有無による,HLA-DR2の頻度の差はみられなかった.自己免疫性肝炎については,A, B座で,A10がやや高頻度(50%vs. 19%, X2corr.=4.824, p<0.05, Pcorr.n.s., RR=4.36)を示した.一方DR座では,DR2, DR4が増加傾向を示したが,推計学上有意ではなかった.自己免疫性肝炎では,HLAとの明らかな相関は認められなかった.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
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