ヒト肝内胆汁うっ滞におけるtight junctionの変化について
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概要
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ヒト肝内胆汁うっ滞症における毛細胆管膜およびtight junctionの変化をfreeze-fracture replica法を用いて観察し,通常のthin sectionで観察されたmicrofilamentの変化と対比し検討した.ヒト肝内胆汁うっ滞症では,毛細胆管周囲のmicrofilamentは増生し,pericanalicular ectoplasmも肥厚してみられ,それにともないtight junctionも伸展してみられた.freeze-fracture replica法による観察では,tight junctional networkは,正常と比して複雑なnetwork patternを呈しlateral surfaceに向って伸展してみられた.free-endのjunctional strandや不連続なjunctional strandが多くみられた.microvilliやlateral surfaceの膜内蛋白粒子の数は減少し分布も不均一であった.すなわち,microfilamentの増殖とともにtight junctionの伸展,tight junctional networkの変化がみられ,microfilamentとtihgt junctionとの間に関連性のあることを示唆する所見が得られた.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文