慢性肝疾患患者末梢血リンパ球のnatural killer活性およびインターフェロンによる増強効果について
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概要
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YAC-1細胞・RSa細胞を標的細胞とし,<SUP>51</SUP>Cr標識細胞障害試験により各種慢性肝疾患患者リンパ球のnatural killer (NK)活性を検討し,一部にin vitroでヒトIFN-αを添加してNK活性に及ぼす影響を検討した.YAC-1に対するNK活性は,controlに比し,CAH・LCで有意に高く,CIHではほぼ同様であり,RSaに対するNK活性は,controlに比し,CAH・LCで高くHCCで低い傾向があった.NK活性とHBsAgの有無との間には明らかな関連性は認められなかった.in vitroにてIFN-αを添加することにより慢性肝疾患においてもNK活性は明らかに増強され,その増強は培養開始後短時間で認められ,IFN-αの濃度依存性に強く認められた.10,000IU/mlのIFN-αの添加によるNK活性の増強率は,各疾患群の間に有意の差は認められなかった.以上より末梢血リンパ球NK活性は慢性肝疾患の進展に関連し変動することが推察され,また慢性肝疾患においてもIFNはNK活性の調節に重要な役割りを果していると考えられた.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
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