肝細胞癌における白血球粘着阻止試験(LAIテスト)とBlocking test : 第2編:反応機構の解析
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概要
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要旨:肝細胞癌診断における白血球粘着阻止試験(LAIテスト)の反応機構の解析を行った.まず,LAI陽性肝細胞癌症例の白血球をリンパ球分画と好中球分画に分離して行うplate法による2段階LAIテストを施行したところ,hepatoma抗原に反応してリンパ球分画よりchemical mediatorが遊出され粘着阻止に働くことが判明した.次に,このLAI現象をblockする血清中のblocking factorをSephadex G 200 column chromatographyにより分析したところvoid volumeに存在していることが判明し,antigen-antibody complexの状態になっていると考えられた.次にMeyer zum Buschenfeldeのliver specific antigenの分析手段を応用し,LAIテストに使用したhepatoma extractの抗原性について検討した.その結果,LAI活性はSephadex G 100のfirst peakに存在し,さらにその分画をSephadex G 200にて分析したところ,その活性はfirst peakに存在していた.この結果から,LAI活性を示す分画は肝癌細胞の膜成分に一致する分画であるとの結論を得た.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
著者
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