肝細胞癌における白血球粘着阻止試験(LAIテスト)とBlocking test : 第1編:臨床的意義に関する検討
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概要
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白血球粘着阻止試験(LAIテスト)およびBlocking test (BT)を肝細胞癌に応用し,その診断能につき検討を加えた.肝細胞癌症例の白血球と3種の抗原(hepatoma extract, tumor bearing cirrhotic liver extract, cholangioma extract)とでLAIテストを行ったところ,肝細胞癌症例の白血球はhepatoma extractとのみ反応した.また,hepatoma extractを用いた肝細胞癌症例でのLAIテストの成績が27例中23例と高率に陽性を示し,転移性肝癌,胆管細胞癌,肝硬変症ではすべて陰性であった.以上の成績は本試験が肝細胞癌の特異的免疫診断法であるとともに臨床的にも極めて有用であることを確かめたものである.次にLAIテスト陽性の13例にBTを施行したところ,9例にblocking現象を認めた.両試験の早期診断能に関してはLAIテストよりもBTの方が早期に陽転し,また,肝切除後の治癒判定の指標に関してもLAIテストよりもBTの方が早期に陰転化することより,BTが優れていると思われた.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
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