Glucagon-insulin療法の基礎的検討 : D-galactosamine・HCl投与家兎重症肝炎モデルにおけるglucagon-insulinの投与効果
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
近年glucagon (G)とinsulin (I)のhepatotrophic factor (HF)としての共役的作用が注目されている.今回著者は,劇症肝炎をはじめとする重症肝炎において,HFとしての共役的作用を期待したG-I療法が有用か否かを検討する目的でD-galactosamine・HCl (Gal)投与家兎重症肝炎モデルに,G-IをGal投与直後から大腿静脈より48時間持続投与し,その効果を死亡率,光顕および電顕による肝組織像,α1 antitrypsin, transferrinなどのrapid turnover serum protein (RTSP)の変動より検討した.結果,本モデルにおいて,1)グルコース単独投与で,死亡率の改善が認められたが,肝組織像,RTSPの変動には改善が認められなかった.2)グルコースとG-Iの投与で,死亡率,肝組織像,RTSPの変動いずれにおいても改善が認められた.以上より,G-I療法は,肝障害の進展を阻止し,さらにその修復を促進する可能性が示唆された.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
著者
関連論文
- 多発性嚢胞性病変を呈した肝硬変非合併肝細胞癌の1例
- 原発性肝癌における右心房内腫瘍血栓の臨床病理学的研究
- 脾転移により特発性脾破裂をみた肝細胞癌の1例
- Glucagon-insulin療法の基礎的検討 : D-galactosamine・HCl投与家兎重症肝炎モデルにおけるglucagon-insulinの投与効果
- D-galactosamine投与急性肝不全ラットに対するepidermal growth factor投与効果
- 無症候性原発性胆汁性肝硬変の臨床病理学的研究
- 原発性胆汁性肝硬変の成因および進展機序におよぼすimmune complexおよび肝組織中の銅量についての研究
- 急性肝障害重症度の指標としてのグルカゴン負荷後の血漿cyclic AMP反応
- タイトル無し
- タイトル無し