硬化型肝細胞癌の臨床病理学的検討
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概要
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外科的に切除された硬化型肝癌12例について,非硬化型肝癌307例を対照群として比較検討し,臨床病理学的特徴を明らかにした.<BR>硬化型肝癌では対照群との比較において,HBs抗原陽性例が有意に多かったが,その他臨床的に,年齢,性差,術前検査成績,腫瘍マーカーなどに統計学的有意差は認められなかった.また生存率に有意差はみられなかったが,硬化型肝癌で再発が確認された症例は8.3%であったのに対し,対照群では55.2%であり硬化型肝癌で有意に再発率が低く,予後は比較的良好と考えられた.一方病理学的所見としては硬化型肝癌で,肉眼的に中心性瘢痕が多く認められ,組織学的には通常の肝癌の腫瘍間質にあたる血洞に沿って線維性結合織が増生する形態を呈していた.その他特徴的所見として被膜形成は1例も認められず,結節内に門脈域を含む事が多く,結節内リンパ球浸潤が多く認められた.さらにMallory bodyおよびpale bodyが高頻度に認められ,いずれも対照群との比較において有意差を認めた.
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