塩類下剤誘発下痢モデルマウスに対する五苓散の効果
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概要
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最も代表的な利水剤である五苓散は浮腫性の疾患によく用いられる。五苓散の腸管における利水作用を明らかにする目的で,硫酸マグネシウムによる下痢モデルマウスに対する効果を検討した。このモデルに対して,対象薬の人参湯エキス顆粒(166mg/kg, p.o.)は効果がなかったが,五苓散エキス顆粒(133mg/kg, p.o.)は有意な止瀉作用を示した。五苓散の温水抽出物(生薬末を37℃,30分抽出した凍結乾燥品)は熱水抽出物(五苓散料の凍結乾燥品)に比べ有意な止瀉作用を示した。白朮五苓散と蒼朮五苓散の止瀉作用比較において,朮の違いによる差異は認められなかった。五苓散の構成生薬である白朮,猪苓,茯苓,桂皮は五苓散に比べ弱い傾向がみられるものの,単味でも有意な下痢の改善を示した。五苓散から生薬を1種類ずつ抜いた一抜き五苓散はいずれも止瀉作用が低下した。五苓散変方(個別抽出した5種の生薬抽出物の混合品)の止瀉作用は,同時抽出した五苓散に比べて明らかに止瀉作用が減少した。これらのことから,この下痢モデルに対する五苓散の止瀉作用は特定の生薬によるのではなく,5種の生薬を同時抽出することが最も効果的であると示唆された。
- 2009-09-20
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