実験的肝障害および糖尿病時の肝内インスリン分解酵素活性の変動
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
肝障害とくに肝硬変時に高率に認められる高インスリン血症の発生機序につき,CCl<SUB>4</SUB>肝硬変ラットおよびStreptozotocin (STZ)糖尿病ラットを用い,肝インスリン分解酵素(Glutath-ioneInsulin Transhydrogenase; GIT)活性の面より検討した.絶食後16時間の血糖値は肝硬変群で66mg/dlと著明に低下し,糖尿病群で371mg/dlと有意に上昇していた.血中IRI値は前者で対照群に比して高値を示す例が多く,糖尿病群では低値であり,ブドウ糖3g/kg経口投与後では血糖値・IRI値ともに肝硬変群で高値傾向を認めた.肝GIT活性は肝硬変群で単位肝重量・単位蛋白あたりのいずれでも有意の上昇をみ,STZ投与2日後の糖尿病群では有意差を認めなかった.CCl<SUB>4</SUB>処置群の膵ラ島は対照群に比して肥大していた.従って肝障害時には肝GIT活性は血中IRI値の上昇とともに増加し,肝障害時には一次的に高インスリン血症が存在し,それに伴ってGIT活性が上昇することが示唆された.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
著者
関連論文
- Tube LAI assayによる肝細胞癌の診断―“repeated LAI assay”の意義と応用―
- L-Alanine負荷による糖新生能の判定とその肝細胞予備能検査としての意義
- 実験的肝障害および糖尿病時の肝内インスリン分解酵素活性の変動
- アルコール中毒者における血清ミトコンドリアGOT活性測定の意義
- HYPOTONIC DUODENOGRAPHY WITH THE USE OF GLUCAGON