輸血後肝炎に関する臨床的研究―とくに非B型輸血後肝炎について―
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概要
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1972年から1978年までの7年間に経験した輸血後肝炎71例(B型9例,非B型62例)についての臨床的検討を行なった.年次別発生例数から,近年B型は激減している一方,非B型が著増していることが示唆された.非B型輸血後肝炎を潜伏期間から,B型類似の潜伏期の長いもの(40日以上)と短いもの(14〜39日)に区別したが,臨床像,経過,予後において両者に明らかな差異は認めえなかった.非B型輸血後肝炎には初期症状を呈さないもの,および無黄疸型が高率に認められた.また血清トランスアミナーゼ値1500IU/l以上のものは低率であったが,治癒例においても血清トランスアミナーゼの正常化までに10週以上を要したものが多かった.非B型輸血後肝炎の遷延・慢性化は症例の36%に認められ,とくに急性期,無黄疸で経過したものにこおいて高率(57%)にみられた.遷延・慢性化した症例(10例)の肝組織では,過半数に,chronicpersistent hepatitisまたは,chronic aggressive hepatitis, 2Aの所見を認めた.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
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