Uridine diphosphate(UDP)のエタノール代謝に与える影響と抗脂肝作用に関する研究
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概要
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ラットを用いて,血中エタノール消失速度(Widmarks β60値)および肝のエタノール代謝に及ぼすUridine diphosphate(UDP)投与の影響を検討した.UDP前処置により,著明な血中エタノール消失促進効果が認められた.エタノール投与6時間および20時間後の肝トリグリセリド量の推移より,UDPは抗脂肝作用を有していると考えられた.肝エタノール酸化酵素(ADHおよびMEOS)活性やcytochrome P450量は,UDP投与により影響を受けなかった.エタノール投与6時間後の乳酸,ピルビン酸値および乳酸/ピルビン酸比は,いずれも,対照群,UDP投与群および非投与群の三者間に有意差を認めなかった.UDP前処置により,肝ATP量およびadenylate poolの有意な増加が認められる一方,energy chargeは対照およびエタノール単独投与群と変らなかった.これらの成績より,UDPのエタノール代謝促進効果は,肝ATP代謝回転の亢進の結果生ずることが示唆された.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
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