肝外閉塞性胆汁うっ滞の肝組織内銅濃度に関する研究黄疸期間,組織像,オルセイン染色陽性顆粒,臨床検査成績との関係
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概要
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黄疸期間が14〜425日の肝外閉塞性胆汁うっ滞20剖検例(38〜84歳,男12例,女8例.癌17例,結石1例,炎症2例)の肝組織内銅濃度を低温灰化,原子吸光法により測定し,次の結果を得た,1. 胆汁うっ滞群はMean±SE 12.4±2.1 (3.9〜38.5, N=20)μg/g.wet weightで,対照群(非肝・胆道疾患患者)の8.6±0.6 (3.8〜22.2, N=57)より増加していた.2. 黄疸期間が75日以下では12例中1例,75日以上では8例中3例が対照域を超え,その平均値の3〜5倍に達した.後者の3例では,いずれも肝内胆管の広範な破壊を合併していた.3. HBsAgとは明らかに異なるオルセイン染色陽性顆粒が一部の銅濃度増加例の肝細胞内に認められた.4.血清銅は10例中9例が増加を示し,それが高い程,肝銅濃度も高値を示す傾向があった.総ビリルビン,アルカリホスファターゼ,総コレステロールとの問には一定の関係を認めなかった.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
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