岐阜県和良村におけるB型肝炎ウイルス感染の蔓延度に関する疫学的研究
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概要
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岐阜県郡上郡和良村の住民2,310名を対象として,HBs抗原,抗HBs抗体を検索し,またHBs抗原陽性者についてはHBs抗原サブタイプ,HBe抗原・抗体を同定した.HBs抗原は59名,26%(男3.1%,女2.1%,有意差なし)に検出され,HBs抗原サブタイプはadrがadwよりも優勢であった(9: 1).これらHBs抗原陽性者の32名までが14家族(adr家族9,adw家族4)に集積していた.HBs抗原陽性者におけるHBe抗原,抗HBe抗体検出率はそれぞれ35.6%, 33.9%であったが,性別,年齢別分布からHBe抗原→抗HBe抗体のserocon-versionは一般に女子は男子よりもより若年期におこるものと推測された.和良村におけるHBs抗原キャリアの発生に母児間感染の占める比率は約30%は見積られ,残りは父,同胞,その他家族外からの水平感染によるものと推測された.抗HBs抗体は778名,34%(男35%,女32%)に検出され,年齢別検出頻度は10歳未満で最も低く(10.5%),加齢とともに高率となり,50歳台で最高(44%)に達した.また,10歳,20歳台では男子は女子よりも有意に高率であった.抗HBs抗体陽性者の平均抗体価は10〜30歳台で最も高く,加齢的推移が認められた.
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