内視鏡的経鼻胆管ドレナージによる胆管クーリング下ラジオ波焼灼療法を行った肝細胞癌の1例
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概要
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症例は67歳, 女性. 平成10年頃にHCV抗体陽性を指摘された. 平成14年1月23日近医にて肝S4に腫瘤を指摘され, 精査加療目的にて2月6日当科に紹介入院. 入院後腹部造影CTにて肝S4に門脈臍部に接している2cm大の腫瘍を認めた. 経皮的エタノール注入療法 (PEIT), ラジオ波焼灼療法 (RFA) などの通常の局所療法では胆管の損傷の可能性があり, 胆管損傷を防ぐ目的で内視鏡的経鼻胆管ドレナージチューブを挿入後, 胆管を冷却した生食で灌流しながらRFAを行った. 術後一過性に膵炎を認めたもののビリルビンや胆道系酵素の上昇など大きな合併症は認めなかった. 術後のCTでは末梢胆管拡張などの異常も認めず, 腫瘍部は low density area となり効果は十分と考えられた. 胆管に隣接した病変ではRFAによる胆管損傷の報告がなされている. 今回HCCが胆管に接し局所治療の合併症が憂慮された症例に対し, ENBDを挿管し胆管を冷却することで安全にRFAが施行でき, RFAによる胆管損傷の予防の一助と考えられた.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
- 2003-07-25
著者
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