慢性肝炎における門脈域の血管系の電子顕微鏡的研究 : 特に肝動脈系の血管について
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概要
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慢性肝炎の針生検組織で門脈域の終末細動脈と毛細血管の電顕的観察を行い,正常対照例と比較検討した.慢性肝炎では終末細動脈は正常な形態のものと変性内皮細胞を有するものとがあり,毛細血管はほば正常な形態のもの(1型),新生毛細血管の形態のもの(2型)および変性内皮細胞を有するもの(3型)の3種類に分類することができた.CPHでは単位面積当りの毛細血管数は正常例とほぼ同数で1型が主であったが,CAHでは単位面積当りの毛細血管数は明らかに減少しており2型と3型が主であった.2型はpiecemeal necrosisが存在する門脈域の辺縁部で,また,3型は変性終末細動脈とともに門脈域の中心部で観察された.このようにCPHとCAH間には明らかに差が認められたが,CAH2Aと2Bの間には差異は認められず,肝実質のbridging hepatic necrosisには動脈血流の関与が少ないことが,形態面から示された.
著者
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