ウイルス性肝炎流行地におけるHB抗原陽性者の疫学および臨床的研究 : 第2編 追跡調査と臨床的検討
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概要
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岡山県下の熊山町,備前市香登,高知県安芸市の3地区のウイルス性肝炎の流行状況を知る目的で前回調査の対象者2,878名のうちHBs抗原・抗体陽性,肝機能異常を示した450名について3年間の追跡調査をHBc抗体の検索を加えておこなった.その結果,HBs抗原陽性者の持続陽性率は熊山町,備前市,安芸市の3地区で各々90%, 100%, 75%であり,前2地区でchroniccarrierが高率であった.またHBs抗体持続陽性率は同様に前2地区で高率であったが,対照の安芸市地区に比して地区全体の抗体の検出率ならびに肝機能異常者は少なかった.一方,HBc抗体陽性率は3地区で各々,97%, 95%, 84%であったが,HBs抗原,抗体陰性者では各々93%,90%, 59%と前2地区が有意に高率で,かつ20年前の流行性肝炎既往者が全例陽性であった.以上の成績から熊山町,備前市両地区ではHBVの免疫が地区全域にあり,現在では対照の安芸市地区に比較して流行が少ないことが示唆された.
著者
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