Cholestasisにおける尿中硫酸抱合胆汁酸の臨床的意義に関する研究
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概要
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Cholestasis患者(急性肝炎26名,閉塞性黄疸13名)について尿中総胆汁酸とそのうちの硫酸抱合胆汁酸百分率を測定し,これらと肝機能検査との相関について追求し,更に急性肝炎の予後との関連について検討した.その結果尿中総胆汁酸と肝機能検査との間には相関を認めなかったが,硫酸抱合百分率と血清総ビリルビン,アルカリフォスファターゼとは負の相関が存在し,高度なcholestasisを伴った病的肝では硫酸抱合能の低下が推定された.また急性肝炎において尿中硫酸抱合胆汁酸百分率が50%以上の症例は治癒期間が22〜180日間で全例治癒または軽快したのに反して抱合率50%以下の症例はcholestasisが著明であり,7例中5例(71%)が肝萎縮,肝性昏睡に移行し,1カ月以内に死亡の転機をとった.今後尿中硫酸抱合胆汁酸の測定が急性肝炎の重篤度を推測する一助して利用出来る可能性を認めた.
著者
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牧野 勲
Hokkaido University School Of Medicine
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牧野 勲
北大医学部第2内科
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橋本 博介
北大医学部第2内科
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田城 明子
北大医学部第2内科
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中川 昌一
北大医学部第2内科
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篠崎 堅次郎
北大医学部第2内科
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