肝胆道疾患における尿中胆汁酸特に3β-hydroxy-5-cholenoic acidに関する研究
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概要
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肝胆道疾患患者における尿中胆汁酸をイオン交換樹脂Amberlite XAD-2, SePhadex column, Gaschromatography, Gas chromato-mass spectrometryを利用して分析し,特に異常胆汁酸である3β-hydroxy-5-cholenoic acidの代謝について検討を加えた.<BR>原発性肝癌を始め転移性肝癌,肝炎,肝硬変症の患者尿中から3β-hydroxy-5-cholenoic acidを同定し,人間の病的肝ではcholesterol異化の際,従来のmain pathwayの他に3β-hydroxy-5-cholenoic acidを経由してのside pathwayが存在することを推定した.各種肝胆道疾患において尿中胆汁酸のうち3β-hydroxy-5-cholenoic acidが占める割合は原発性肝癌16%,転移性肝癌4.6〜9.6%,急性肝炎3.3%,肝硬変症2.2%,慢性肝炎1.7%の順で原発性肝癌では肝での胆汁酸生成においてside pathwayが活発化していることを推定させたが,これらの値は症例間にoverlapがあり,そのため鑑別診断的意義は認められなかった.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
著者
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牧野 勲
Hokkaido University School Of Medicine
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牧野 勲
北大医学部第2内科
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橋本 博介
北大医学部第2内科
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中川 昌一
北大医学部第2内科
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篠崎 堅次郎
北大医学部第2内科
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芳野 宏一
北大医学部第2内科
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