肝・胆道疾患における血清Guanase活性の診断的意義について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
岡山大学第一内科入院の肝・胆道疾患患者を対象として血清guanase活性を測定し,その臨床的意義について検討した.活性の測定はCoodleyの方法によった.健常者の平均guanase活性は4.5±2.4ミリ単位で,正常域は0〜9.3ミリ単位であった.血清guanase活性の上昇は肝疾患に対してかなり特異的であり,なかでも急性肝炎の初期に著明に上昇し,黄疸を有する例で有意に上昇率が高かった.しかし,活性の正常値への復帰はglutamic pyruvic transaminase (GPT)に比しきわめて早期であった.他の肝疾患では,急激なしかも高度の肝細胞障害を伴なわない限り,血清guanase活性は上昇せず,閉塞性黄疸ではほとんど活性上昇は見られなかった.他の肝機能検査成績との関係では,急性肝炎においてのみglutamic oxalacetic transaminase (GOT)あるいはGPTと相関関係を有した.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文