腹腔鏡による肝表面像の研究 : 肝表面の赤色紋理と肝内細血管構造の関係
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概要
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肝炎より肝硬変への移行の過程を腹腔鏡検査により追及した際に,肝表面に特有の赤色模様を認める症例が,意外に早く,肝硬変へ進展することが明らかとなった.<BR>この赤色紋理の成因を病理形態学的に解明するために,厚さ10μで作製した肝生検標本の連続切片による再構築標本を用いて検討した.<BR>肝表面の赤色紋理の占める部位は,門脈第11ないし12枝の周辺に出来た幅広い肝細胞の壊死巣に一致し,同時に,このような肝細胞脱落部に生じた結合織により,門脈枝相互間の結合や肝静脈枝との結合が形成されることが証明された.<BR>以上の事実は,肝炎より肝硬変への進展における一つの型式を示すものと考えられる.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
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