日本白兎CCl4肝障害時の赤血球malonyl-di-aldehydeとhexose monophosphate shuntに及ぼす抗酸化剤の効果について
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概要
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CCl<SUB>4</SUB>投与実験的肝障害を作成し,酸化還元系の平衡障害と溶血について,特に脂質酸化物malonyl-di-aldehyde(MDA)を中心として検索した.その結果CCl<SUB>4</SUB>投与開始後4週の急性期では,Parpart法による50%溶血はin vivoにおける保護作用の結果in vitroにおける抵抗は強くなった.過酸化水素溶血試験は強度に溶血性を増し赤血球膜の不安定性を示唆しα-toco-Pherol acetate (VE)併用投与により赤血球膜の安定化を示した.赤血球膜が酸化状態におかれた時増加すると考えられているMDAはCCl<SUB>4</SUB>単独投与群では高値を示したが,VE併用投与により産生が抑制された.カタラーゼも急性期では上昇を示した.hexose monophosphate shuntの動的平衡より見て酸化状態が強いすなわちMDA値上昇のためreduced glutathione (GSH), glu-cose-6-phosphate dehydrogenase (G-6-PD)の関与なくカタラーゼのみが上昇したが,VEによってMDAが抑制され動的酵素系に影響をおよぼさなかった.CCl<SUB>4</SUB>投与8週以後では一定の傾向を認めなかった.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
著者
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泉 良治
和歌山医大第一内科
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船迫 真人
和歌山医大内科
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山路 功
和歌山医大内科
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奥 浩子
和歌山医大内科
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中山 伊智郎
和歌山医大内科
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花野 靖久
和歌山医大内科
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谷本 幸三
和歌山医大内科
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津田 忠昭
和歌山医大内科
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上江洲 朝洋
和歌山医大内科
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太田 喜一郎
和歌山医大内科
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泉 良治
和歌山医大内科
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