肝胆道系疾患と単クローン性γ-グロブリン血症 : とくに肝硬変症と骨髄腫との合併例の意義について
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概要
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肝胆道系疾患に随伴する単クローン性γ-グロブリン血症は一般に良性型を示すが,なかには臨床上potentially malignant typeとして骨髄腫への移行を示す例や初期骨髄腫との合併例がとくに注目される.肝胆道系疾患とM成分出現の時期的関係は必ずしも明らかでなく,症例S.H.にみるごとく,M成分が肝胆道系疾患に先行するぼあいも存在する.症例S.H.において注目すべき第一点は,7年間の長期にわたり骨髄腫を追跡し得たことであり,第二点は骨髄腫の経過中血清肝炎に罹患し肝硬変症へと病像が推移した事実である.骨髄腫においては骨髄腫蛋白の増量により正常免疫グロブリンの合成障害がみられ,かかる体液性免疫不全状態がB型肝炎の病像を修飾して肝硬変症への移行に関与した可能性を否定することはできない.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
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