肝疾患における血清モノアミンオキシダーゼの臨床的意義
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概要
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岡山大学第1内科入院の肝胆道疾患患者を対象として血清モノアミンオキシダーゼ(MAO)活性を測定し,肝機能検査,腹腔鏡,組織学的所見と対比しながら臨床的意義を検討した.測定は基質としてBenzylamineとN-butylamineを用い,それぞれの活性をMAOzおよびMAOtとした.健康人のMAOz, MAOtはそれぞれ11.5±plusmn;2.9, 19.0±3.1単位に対して慢性肝炎ではMAOz=15.2±2.6, MAOt=22.6±6.2単位,肝硬変ではMAOz=16.4±6.0, MAOt=26.6±11.1単位で異常出現率は肝硬変が慢性肝炎より高かった.肝機能検査では,慢性肝炎のMAO活性はγ-GTPと正,コリンエステラーゼ,KICCと負の相関があった.肝表面像では,線維化,グ鞘の延長はあるが小葉変形のないものからP-P結合,P-C結合のあるもの,さらに丘状結節から球状結節を呈するものへと病像が進展するにつれてMAO活性は上昇する傾向があり,組織学的には小葉変形や線維化の程度との間にかなりの関連が認められた.
- 社団法人 日本肝臓学会の論文
著者
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林 慎一郎
ノートルダム清心女子大学
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林 慎一郎
岡山大学 養護教諭養成所,同第1内科学教室
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野間 啓輔
岡山大学 第1内科学教室
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糸島 達也
岡山大学中央検査部
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林 慎一郎
岡山大学 第1内科
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野間 啓輔
岡山大学 第1内科
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