ダイナミック限外濾過膜の洗浄および脱離方法
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概要
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ダイナミック膜は, 膜の脱離, 再形成を行うことが容易であるという点で, 他の膜法と異なる際立った特徴を有している.したがって, 長期の運転において安定な性能を維持してゆくためには, 定期的な膜の洗浄方法, 脱離方法等の周辺技術を確立することがきわめて重要である.ここで, 膜の洗浄とは, 分離操作終了時, 洗浄液を通液することにより, 残留した処理液を排出して膜を清浄にすることであり, 膜の脱離とは, 機能の低下した膜を薬剤により溶解, 除去することである.高分子分離膜の機能低下, ファウリングに関しては, 原因と対処の方法について詳しい報告があるが, ダイナミック膜に関するこのような検討例はほとんど見られない.また, 膜形成用の支持体として多孔質セラミックスを用いた研究が多く見られるにもかかわらず, 多孔質セラミックスの耐久性についての実験的検討は, ほとんど行われていない.<BR>著者らは前報において, アルミナゾル, コロイダルシリカからなる2層構造のダイナミック膜の形成方法, およびこの膜によるゼラチン濃縮性能について検討した.本報では, 上記のアルミナゾル, コロイダルシリカからなるダイナミック膜の熱水による洗浄方法, NaOH水溶液による脱離方法について検討し, さらに, これらの操作がセラミック支持体の耐久性に及ぼす影響について検討したので報告する.