ルーバー液滴分離機の性能
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概要
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気流に対して斜めに羽根列を配置することによって方向転換角を大きくした場合の, ルーバー液滴分離機の性能を検討した.まず, 平板および山形の2種の羽根形式で, 10%のブローダウン空気流量の有無に対して部分捕集効率および圧力損失を測定し, 次の知見を得た.1) 液滴捕集効率は従来から知られている固体粒子の集塵率よりかなり高い.たとえば羽根間隙基準の慣性パラメータの値が1のとき, 固体粒子の部分集塵率は0.8といわれているが, 水滴の部分捕集効率はほぼ1 であった.2) ブローダウンの無い場合には山形羽根形式は平板羽根形式に比べて捕集効率はかなり高く, たとえば平板では0.4のとき山形羽根では約2倍となった.しかも, 圧力損失は山形羽根の方が少なく, 平板のときの75%しかなかった.3) 固体粒子では, 10%ブローダウン流量のとき, 平板と山形羽根では捕集効率にほとんど差は無いといわれているが, 液滴の場合も同様の結果が得られた.また10%ブローダウン流量による部分捕集効率の向上は平板において顕著でたとえば0.4 が0.8 になった.しかし, 山形羽根ではあまり変化はなかった.<BR>一方, 羽根間隙中の乱流渦 (ウェイク) の形状を可視化し, その外部をポテンシャル流と仮定して粒子軌跡を求め部分捕集効率を計算した結果は50%捕集液滴径の推定には有効であった.しかし部分捕集効率曲線の傾きを十分説明できなかったので, 粒子の乱流混合の影響を補正したところ測定値と良好に一致した.
- 社団法人 化学工学会の論文
著者
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宇敷 建一
京都大学工学部
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加藤 秀夫
新日本製鉄K.K.
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高橋 成夫
京都大学工学部 化学工学科
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伊谷 鋼一
京都大学工学部 化学工学科
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宇敷 建一
京都大学工学部 化学工学科
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加藤 秀夫
新日本製鉄 (株)