工業規模の酢酸ビニル合成流動触媒反応器の最適運転条件
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概要
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酢酸亜鉛担持活性炭触媒による, 器底径3.28m, 酢酸ビニル生産能力50tons/日の同一形式の流動触媒反応器を二基用いた既存の操業装置でのアセチレンからの酢酸ビニル合成の最適運転条件について, 不純物の副生率, 触媒使用率・原単位などの面から検討を行った.<BR>不純物副生率は運転条件の影響を大きく受けるが, 原料収率の点からはあまり考慮する必要がない.<BR>触媒使用率の面からは, 固定層反応器の操業と同様に, 経時変化に伴う活性の劣化に見合うだけ反応温度を漸次上昇せしめる方式が有利である.しかし, 運転の安定化, 不純物副生率を考慮すると, 二系列の反応装置を低温反応列と高温反応列とにし, 低温反応列に高活性の新触媒を仕込み, 高温反応列には低温反応列の抜き取り触媒を仕込む方法が最適と考えられる.<BR>最適な運転条件として, ユーティリティーの使用量も考慮すると, 空間速度100 1/h, アセチレン対酢酸モル比2.5, 低温反応列温度447K, 高温反応列温度463Kが得られた.その時の推算新触媒使用率・原単位は6.7<I>l</I>/ton酢酸ビニルとなり, 操業実績とよい一致を示した。
- 社団法人 化学工学会の論文
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