平面ひずみ場とした充填粉粒体層の応力計算と実験による検証 (摩擦係数の影響)

概要

論文の詳細を見る
充填粉粒体層の応力分布を知ることは貯蔵容器の設計だけでなく粉粒体の単位操作にも重要な事項の一つである.そこで粉粒体の摩擦係数を粉粒体層内部で一定とし, 種々の摩擦係数について増分形有限要素法を用いて粉粒体の応力分布を計算した.その結果, 摩擦係数が壁応力分布に与える影響が大きいことを示した.一方, 摩擦係数は剪断ひずみや充填率によって変化するが, 本報では剪断試験によって粉粒体の摩擦係数と剪断ひずみの関係を求め, それを用いて壁応力分布の計算を行い, 既発表の同一条件下における実験結果と比較検討した.その結果, 両者は側壁における水平方向垂直応力σx, および底壁における鉛直方向垂直応力σy (h=0) ともに良い一致がみられ, 摩擦係数の局所的な変化を剪断ひずみの関数として表現できること, したがってそれらを考慮した計算結果は現実の粉粒体の応力分布をほほ正しく与えることがわかった.また, 壁面の橋脚の位置や, どの程度応力が集中するかを明らかにすることができたので, 粉粒体の貯蔵容器の設計にも役立つと考えられる.
社団法人化学工学会の論文