低温工学と真空工学
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概要
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最近の真空技術の進展、真空工学の開発は驚くべき急速度で進んでいるが、それにも増して注目すべきは低温技術というか低温工学というか、極低温に関する技術、工学の進歩であろう。しかもその進歩が、ここ数年間に加速度的に増大している傾向は、むしろ真空関係よりも強いのではないかと思はれる。<BR>近代的な技術や工学が、専門分野のみでなく関連の色色の分野の研究開発によって互いに刺激され、援助され、また助力しつつ発展していることは疑いのない事実であるが、低温の分野と真空の分野とは特にこの関係が深いように思はれる。両者とも物理学を基盤としているし、共通のテーマも多い。本質的なことではないが、低温技術では絶対0度、真空技術でも絶対真空という破り得ない壁があり、それらに一歩でも近づくことが夫々の技術の究極の目標であることや、両者ともに物質の状態を決める最も基本的な条件の温度と圧力に関する学問、技術であるということなどである。<BR>また両者の技術は夫々他の援助を受けねばなり立たない。例えば低温技術に関する研究や工業化は真空断熱という有効な手段によって大きく進歩したものであり、真空技術に関する研究や工業化も低灘という有効な手段によって大きく前進したものといえる。<BR>ここ数年間の急進歩を見せた低温技術、低温工学に対する真空技術の寄与は極めて大きいが、比較的陰の力であったような印象を与える。それは低温に関する研究が余りにも花々しいことによるのであろうか。<BR>低温の分野における花々しい分野、例えば、超伝導、メーザー、レーザー、宇宙開発等についてに本稿で詳細に紹介する紙幅がないし、他に適当な文献や参考書が多数刊行されているので、これ等のうち主なものを紹介するに止める。
- 日本真空協会の論文
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