多成分系分子蒸留の分離におよぼす分子とう蒸発の影響
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概要
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多成分系-ポリエチレングリコール300 (平均分子量=0.3) -の分子蒸留実験を残留空気圧力0.13Pa以下で, ポットスチルを用いておこなった.次のような結果を得た. (1) 分子とう蒸発が発生しない領域においては, それぞれの留分における留出液の重合度 (<I>m<SUB>ob</SUB></I>) は一定液表面温度 (140℃) で理想溶液として計算をおこなった値 (<I>m<SUB>cal</SUB></I>) と等しくなった.この結果から判断して, 同領域では多成分系溶液は理想溶液と見なせる. (2) 分子とう蒸発が発生している領域では, <I>m<SUB>ob</SUB></I>は<I>m<SUB>cal</SUB></I>と一致しなかった.この原因は, 分子とう蒸発の発生によって, 比揮発度の値が理論値よりも小さくなるためである.この領域では, 多成分系溶液は理想溶液として取りあつかえない. (3) ポット中の液質量とその濃度の関係を表現できる式を蒸発速度式 (Langmuirの式) から誘導した.分子とう蒸発が発生しない領域においては, これらの関係は, この式と理論比揮発度の値を用いることで正確に推算できた.
- 社団法人 化学工学会の論文
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