海洋における炭素循環モデル : 非定常Box Diffusionモデル
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概要
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海洋中の無機炭素類の移動と植物プランクトンによる炭素の固定および固定物の移動を考慮し, 上昇流の流れる大洋域と下降流の流れる極地域とに水平方向を分けたモデル, 6BDモデルを提案, これに基づき産業革命以降現在までの海中炭素濃度の経時変化の計算を行った.植物プランクトンの炭素固定による海洋への二酸化炭素の吸収量増加は小さいことが明らかになった.下降流の存在する極地域では大洋域よりも炭素濃度増加が大きくなり, 海洋を大洋域だけと考えるよりも大気残存率は小さくなった.また循環速度が速いほど小さくなった.海中炭素モデルを構築する上で, 下降流域の存在および循環速度を評価することの重要性が示された.<BR>海洋表層の境界条件として二酸化炭素の溶解平衡を用いることにより, 本モデルによる放出炭素量は実測値とほぼ一致した.この境界条件について既往のモデルとの比較, および妥当性の検討を行った.
- 社団法人 化学工学会の論文