タンパク質欠乏ラットにおける経口投与した尿素Nの体タンパク質への取込み
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概要
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タンパク質欠乏ラットにおける尿素窒素 (N) の利用をNの中間代謝の面より検討したいと考え, <SUP>15</SUP>N尿素投与後の体内分布を調べた。また外因性尿素をどれほど利用しうる能力があるかについて調べ, さらに尿素Nの栄養効果をラットの成長速度から検討した。<BR>1) 10mg/100g B.W. の割合で<SUP>15</SUP>N尿素投与後2日目の全身の<SUP>15</SUP>N蓄積率は, 低タンパク質食 (5%カゼイン食で5週間飼育) (LPD) 群で25.34%であって, 標準食 (20%カゼイン食) (SPD) 群では5.26%にすぎなかった。その内訳は臓器とくにcarcassタンパク質への蓄積が最も多かった。<BR>2) 外因性尿素N利用はアンモニアと血漿タンパク質の<SUP>15</SUP>N取込みからみると, <SUP>15</SUP>N尿素投与量30mg/100gB.W. までは直線的に増加するが, 50mg/100g B.W. で限界に達した。したがって, 利用しうるN量には一定の適量があると考えられた。また<SUP>15</SUP>N尿素50mg/100gB.W. を投与したときの全身のタンパク質に取り込まれた<SUP>15</SUP>Nの総量をmgで計算すると, 体重275gのタンパク質欠乏ラットで5.39mg <SUP>15</SUP>Nであった。この値は低タンパク質食の摂取量から計算すると, 摂取Nの5%ぐらいは尿素Nから供給できることになる。<BR>3) 尿素N利用の有効性を確かめるため幼若ラットを尿素を添加した低タンパク質食 (5%カゼイン食) で4週間飼育して成長速度を調べた。その結果尿素添加試料で飼育した場合にはタンパク質食だけで飼育したときの50%ほどの体重増加がみられ, 尿素は確かに体タンパク質合成に利用された。
- 社団法人 日本栄養・食糧学会の論文
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