ストレプトゾトシン糖尿病ラットにおける二糖類水解酵素阻害剤AO-128の改善作用
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概要
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重症度の異なる2種類の糖尿病ラットにAO-128を4週間混餌投与し, 糖尿病の改善効果を観察した。糖尿病ラットはストレプトゾトシンを生後1.5日齢 (STZ-1.5) あるいは5日齢にそれぞれ120mg/kg皮下注射して作成した。STZ-1.5ラットでは膵インスリン含量が46%に低下し, 血漿グルコース値の軽度上昇を認めたが, その他の臨床値は正常域であった。しかし, 耐糖能とインスリン分泌反応に著しい低下が認められた。AO-128を投与しても膵インスリン含量は変わらなかったが, その他の異常はほぼ正常化された。STZ-5ラットでは高血糖, 低インスリン血症, 多食, 多飲, 多尿, 1日に6gを超える尿糖排泄, 耐糖能とインスリン分泌反応の低下が認められた。AO-128投与によって1日の尿糖排泄量は0.5gに低下し, その他の糖尿病性変化にも改善が認められた。しかし, 耐糖能とインスリン分泌反応の改善はわずかであった。<BR>以上, AO-128は軽度のインスリン不足によっておこる糖尿病性変化を正常化し, 血漿インスリン値の低下を招くより重篤なインスリン不足状態に対しても部分的ではあるが有効であることがわかった。
- 社団法人 日本栄養・食糧学会の論文
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