トリプシンインヒビター (ロイペプチン) 投与ラットにおける膵外分泌機能の亢進
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概要
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ラットの膵消化酵素活性および膵外分泌反応に及ぼすトリプシンインヒビター連続経口投与の影響について調べた。5週齢のSD系雄ラットにロイペプチンを50, 200あるいは400mg/kgの割合で14日間経口投与したところ, 体重増加に変化はみられなかったが膵重量は投与用量に依存して増加した。膵組織中の消化酵素活性も有意に増加したが, アミラーゼ活性とトリプシンあるいはキモトリプシン活性の増加は異なり, アミラーゼ活性の増加に比べてトリプシンおよびキモトリプシン活性の増加が有意に高かった。トリプシンインヒビターの投与はin situ膵標本における膵外分泌反応をも亢進させたが, セルレイン刺激後の酵素放出量を比較するとトリプシンおよびキモトリプシンの分泌量が選択的に増加していた。さらにセルレイン刺激前の膵液分泌量も有意に増加したが, アミラーゼ放出量, タンパク質放出量は増加しなかった。トリプシンインヒビター投与後にみられるこれら膵外分泌機能の変化を内因性CCK-PZの作用だけで説明することは困難であり, CCK-PZ以外の消化管内因子の関与も示唆された。
- 社団法人 日本栄養・食糧学会の論文
著者
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溝口 順二
(財) 食品薬品安全センター秦野研究所
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山田 茂夫
(財) 食品薬品安全センター秦野研究所
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大滝 恒夫
(財) 食品薬品安全センター秦野研究所
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山田 茂夫
(財) 食品薬品安全セソター秦野研究所
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溝口 順二
(財) 食品薬品安全セソター秦野研究所