バセドウ病,原発性胆汁性肝硬変を合併した混合性結合組織病の1例
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概要
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バセドウ病・原発性胆汁性肝硬変(PBC)を合併した混合性結合組織病(MCTD)の症例を経験した.症例は52歳女性. 1985年頃よりレイノー症状が出現していた. 1991年2月,両手II〜V PIP関節痛が出現し近医受診,このときに肝機能障害を指摘されている.その後,関節痛は両手,肘,肩,膝,足関節と全身に広がったため同年7月16日当科入院となる.入院時,多関節炎に加え,眼球突出,びまん性甲状腺腫,両手指の冷感およびソーセージ様腫脹,振戦を認めた.検査所見では,胆道系酵素の上昇,高ガンマグロブリン血症, Free T3, T4の上昇, TSHの低下を認め,免疫学的には抗核抗体,抗RNP抗体,抗ミトコンドリア抗体,甲状腺刺激抗体が陽性を呈した.甲状腺シンチでは摂取率は著明に上昇し,肝生検組織ではPBCに合致する所見を得た.以上より本例は,バセドウ病, PBCを合併したMCTDと診断した. 3疾患の合併は非常にまれであり, 3者の関連性および成因につき文献的考察を加え報告する.
著者
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