PSK誘導マウス腹腔内好中球の腫瘍増殖抑制作用についての検討
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概要
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マウス腹腔にPSKを投与して誘導される好中球の腫瘍増殖抑制作用を3H-thymidine, 3H-uridine取り込み抑制でみる腫瘍細胞のDNA, RNA合成阻害の面から検討した.CDF1マウスにPSK 50mg/kgを腹腔内注射すると12時間後には多量の好中球が滲出する. PSKが補体系を活性化して好中球遊走因子の1つであるC5a産生を促すことより, PSKと同時に補体源として正常ヒト血清を投与したところ6時間後の早期に大量の好中球滲出を認めた.しかし実際にC5aを測定してみると両群に顕著な差はみられず,他の因子の関与も考えられた.つぎにこの2群の好中球についてカゼイン誘導好中球をコントロールとして, fibrosarcoma Meth A細胞に対するDNA合成抑制を検討したところ1.5ないし2倍の腫瘍増殖抑制作用を認めた.これに対し対照として用いたfibroblast NIH3T3細胞の増殖は抑制しなかった.このことよりPSKが免疫調節剤として好中球の腫瘍増殖抑制作用を賦活させ,この作用は正常細胞の増殖には影響を及ぼさないと考えられた.
著者
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近藤 元治
京都府立医大病院第1内科
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杉野 成
京都府立医科大学第1内科
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加藤 治樹
京都府立医大第3内科
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佐野 統
京都府立医科大学 皮膚科学 教室
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谷川 真理
京都府立医科大学第1内科
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金 龍起
京都府立医科大学第1内科
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山村 義治
京都府立医科大学第1内科
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