〈言語臨床の終了時期〉吃音治療の終了時期の実際
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概要
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本報告では,病院という場で吃音臨床を続けている立場から,吃音終了時期の実際について,幼児,学童,中高生,成人の年齢別に,検討した.その結果は,以下の(1)〜(3)にまとめられた.(1)言語症状が「良好」「ほぼ良好」で終了するのは幼児期が最も多く,学童期以後は,言語症状が継続した状態で終了することが増加した.(2)各年齢段階とも,治療期間は3年以下が主で,早期に信頼関係を形成し,適切な評価をすることが重要であった.(3)自発的に治療を受ける段階にある中高生は,中学高校の卒業の時期,高校卒業以上の成人は,社会において自身の仕事を見付ける時期,等のおのおののライフステージを現実的な区切りとして,終了にする傾向がみられた.言語症状をより楽にすること,および,言語症状が継続していても,個々のケースにとって積極的,肯定的な終了を迎えることを目標とすることが重要であると考えた.
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