モルモット半規管内リンパ直流電位の測定
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概要
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モルモツトの前庭器外半規管で内リンパ直流電位の測定を行つた.またアノキシアによる電位の変化を観察した.外半規管内リンパ直流電位は+2〜+4mVという,球形のう,卵形のう,膨大部において報告された電位と大差ない値を示した.アノキシアにより電位は極性を逆転するのが観察された.前庭器内リンパ直流電位の値については,蝸牛内リンパ直流電位の如く大きな陽性電位を示さないことは諸家の報告によりほぼ明らかであるが,その成因については蝸牛内リンパ電位の影響をうけた単なる受動的なものであるか,または前庭器内で発生するものか不明である.蝸牛管から遠ざかるにつれて前庭器内リンパ電位が次第に低下するといつた勾配を示さず,前庭器全体を通してほぼ一定の小さな陽性電位が保たれている点や,アノキシアにより前庭内リンパ電位も極性を逆転する点からみて前庭独自の電位維持機構が存在する可能性が考えられた.
- 社団法人 日本耳鼻咽喉科学会の論文
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