直腸内超音波法,CTおよびMRIによる直腸癌壁深達度診断の検討

概要

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直腸癌の術前検査として直腸内超音波法,computed tomography(CT),およびmagnetic resonance imaging(MRI)を施行し,各診断法による壁深達度診断能について検討した.対象は1981年6月〜1987年7月の直腸癌症例163例で,直腸内超音波法を163例に,CTを121例に,MRIを52例に行った.直腸内超音波法では深達度を5群に分類可能であり,M群:85.7%,SM群:71.4%,PM群:60.0%,SS〜S・A1〜A2群:90.2%,Si・Ai群:64.3%の正診が得られた.CTおよびMRIにより3群に分類した深達度診断では,I群:CT66.7%,MRI80.0%,II群:CT81.5%,MRI91.7%,III群:CT32.1%,MRI50.0%の正診が得られた.詳細な壁深達度診断では直腸内超音波法がもっとも優れた診断法であり,他臓器浸潤の有無に関する診断ではMRIによる検索がもっとも有効であった.各診断法の今後の発達により,より正確な術前診断が可能になると期待される.