直腸に生じたクローン氏病の1症例とその病因論についての考察
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概要
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29歳男性,直腸に生じたクローン氏病に対して狭窄が高度なためPullthrough法にて肛門括約筋温存手術を施行し,2年になるが,再発の徴候も認めず元の職に就いている.<BR>クローン氏病の病因論については,感染説,寄生虫,ウイルス,アレルギー説,自己免疫説,代謝障害,リンパ遮断,ザルコイド,胃液欠乏症,異物,血流障害,外傷,神経障害,ホルモン異常などが原因としてあげられているが,いずれも決定的なものはなく,仮説の域を出ないようである.最近は,自己免疫説,リンパ遮断説などに注目がむけられており,文献的考察を加えた.<BR>治療法については,内科的治療をあくまでも優先させるべきであり,狭窄,瘻孔形成,膿瘍形成などの症状があらわれたときはじめて手術的治療を老慮すべきであると考える.
著者
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