大腸の非上皮性良性腫瘍,血管性腫瘍

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結腸の血管腫は稀なものであるが,しばしば大量あるいは反復する下血の原因となるので注目されている.Gentryによれば胃腸管内の血管腫の存在部位は小腸が41%ともっとも多く,ついで胃が31%,結腸が26%,上行結腸と盲腸にずっと少ない。本邦における報告例は宮崎らによると全消化管について22例,結腸血管腫の報告は10例にみたないものと考えられる.外科治療の対象となるものは海綿状血管腫でその大きさ,形は区々であり,肉眼ではみとめられないような粘膜下の微小結節から20〜30cmにわたって腸管壁をおかすもの,ときに多発するものもある.びまん性のものは胃腸管血管腫の20%を占め,結腸と直腸に好発し,比較的若年で重篤な症状を呈することが多い。一般に血管腫の周囲に炎症性病変は殆どないが,しばしば表面を被う粘膜に糜爛がみられ,血管壁に筋層を欠くことともにくりかえし出血しやすいことの理由となっている.結腸の海綿状血管腫の主症状は出血であるが,ときに潜血の形で出血が続き,高度の貧血が主症状となるこどもある.下部腸管から慢性の出血を反復する患者で通常の検査により出血源を確認しえない場合,選択的動脈造影と大腸ファイバースコープ検査の適応となる.動脈造影の特徴的所見は拡張した不規則な小血管の集合像,造影剤によるstain,早期静脈造影などで,最近開発された連続拡大造影を行なえば50〜90μ程度の小血管の造影も可能である,内視鏡所見では血管腫はうっ血を示し,すもも様の紅色を呈しているが,血管腫が小さい場合には粘膜面にみとむべき病変がない。<BR>治癒を目的とする場合には切除が唯一の手段である。小さい血管腫は腸管壁を温存して粘膜下に摘除しうる。病変が大きい場合,良性であることを確認できれば分節性の腸管切除がよいが,悪性を否定しえなければ腸間膜を含めて広汎な根治的切除を行うべきである.

大腸の非上皮性良性腫瘍,血管性腫瘍

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