新気管拡張薬BB-1502の作用機序に関する基礎的研究
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概要
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新気管拡張薬BB-1502(9-cydohexyl-2-n-propoxy-9H-adenine)の抗喘息作用およびその作用機序に関してaminophyllineと比較検討した.BB-1502はIgE様抗体によるラットのpassive cutaneous anaphylaxis反応に対し,経口投与によっては有意な抑制効果を示さなかったが,同一抗体によって惹起した喘息発作に対しては十二指腸内投与により用量依存的に抑制し,その作用の強さはaminophyllineの約13倍であった.モルモットのIgG様抗体による喘息発作に対しても経口投与により強い抑制作用を示した.また,この化合物はIgE様抗体およびIgG様抗体で感作したラットあるいはモルモット肺切片からの抗原によるヒスタミン遊離を非特異的に抑制し,その作用はaminophyllineの2〜3倍であった.本化合物はモルモット摘出回腸におけるヒスタミン,アセチルコリンおよびBaCl<SUB>2</SUB>による収縮に対しても非特異的拮抗効果を示し,抗ヒスタミンあるいは抗コリン作用は有さないものと思われる.BB-1502はモルモット各種臓器由来のcyclic AMP phosphodiesterase(PDE)およびcyclic GMP PDEを阻害し,特に,脳,肺のcyclic AMP PDEに対し選択的に強い阻害作用を示し,その作用はaminophyllineの約15倍であった.aminophyllineの阻害作用に組織選択性は見られなかった.以上の成績より,BB-1502の気管拡張作用および抗喘息作用はaminophyllineと同様に,cyclic nucleotide系を介して発揮されるが組織選択性においてaminophyllineとは異なることが示唆された.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
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亀井 英夫
Bristol-myers Squibb Research Institute Ltd. Tokyo Research Center
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亀井 英夫
ブリストル・マイヤーズ研
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今西 英世
ブリストル万有研
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村田 慎二
ブリストル万有研究所株式会社
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小尾 由美子
ブリストル萬有研究所(株)
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河野 公雄
ブリストル萬有研究所(株)
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平野 実
ブリストル萬有研究所(株)
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今西 英世
ブリストル萬有研究所(株)
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村田 慎二
ブリストル萬有研究所(株)
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亀井 英夫
ブリストル萬有研究所(株)
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