Bis-Tetrahydroisoquinoline 誘導体の作用機序に関する研究 ―ラットにおける足蹠浮腫形成作用,線維素溶解作用におよぼす各種拮抗薬の影響およびChemical mediator遊離作用について―
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概要
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bis-tetrahydroisoquinoline誘導体の作用機序について検討した.1,1-heptamethylene-bis-6,7-dimcthoxy-1,2,3,4-tetrahydroisoquinoline(HBDT)およびbisobrinはラットの足蹠に浮腫を形成した.HBDTのラットにおける浮腫形成作用および線維素溶解(線溶)作用はpromethazine,cyproheptadineまたはphentolamine前処置によって有意に抑制されたが,dibenamine,propranolol,indomethacin,pyridinolcarbamateによっては抑制されなかった.ε-aminocaproic acidは線溶作用を著明に抑制したが,浮腫に対して作用しなかった.これらの成績から,HBDTの浮腫形成,線溶作用発現にhistamineおよび5-hydroxytryptamine(5-HT)の関与が示唆された.ラット腹腔肥満細胞からのhistamine,5-HT遊離作用について<I>in vitro</I>で検討した結果,この薬物はhistamineとともに少量の5-HTを遊離することが判明した.以上の成績から,bis-tetrahydroisoquinoline誘導体はこれらのchemical mediatorを遊離することによって線溶作用を発現し,足蹠浮腫は遊離された少量の5-HTによって主として形成されたと思われる。
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
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西山 祐二
Bristol-Myers Squibb Research Institute, Ltd., Tokyo Research Center
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亀井 英夫
ブリストル・マイヤーズ研
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今西 英世
Bristol-banyu Research Institute Ltd.
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今西 英世
ブリストル万有研
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外松 幸三
ブリストル万有研究所株式会社
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西山 祐二
ブリストル万有研究所株式会社
-
村田 慎二
ブリストル万有研究所株式会社
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今西 英世
ブリストル万有研究所株式会社
-
亀井 英夫
ブリストル万有研究所株式会社
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