Eptazocine(ι-1,4-Dimethyl-10-hydroxy-2,3,4,5,6,7-hexahydro-1,6-methano-1H-4-benzazonine)の薬理作用 : Eptazocineの自発運動量に対する影響
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概要
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eptazocine(<I>l</I>-1,4-dimethyl-10-hydroxy-2,3,4,5,6,7・hexahydro-1,6-methano-1H-4-benzazonine)の中枢作用,特に自発運動に対する効果についてpentazocineおよびmorphineと比較検討した.なお自発運動量は,多次元行動記録解析装置によって測定した.eptazocme 20,40および80mg/kg,s.c.は用量依存的に,マウスの自発運動量を増加した.pentazocineは逆に用量依存的に自発運動量を減少した.一方morphine20mg/kg,s.c.は自発運動量を抑制し,morphine40および80mg/kg,s.c.では,逆にcirclingおよびrearingが用量依存的に増加し,二相性の薬理作用が認められた.eptazocine,Pentazocineおよびmorphine 20mg/kg,s.c.の自発運動におよぼす効果は,naloxone 1mg/kg,s.c.の併用により拮抗された.これら3薬物の40mg/kg,s.c.1日2回連続10日間の投与によって,自発運動に対する薬物の効果に,pentazocineでは耐性が,morphineでは耐性および逆耐性が認められたが,eptazocineのそれは変化しなかった.上記3薬物の用量を80mg/kg,s.c.として1日4回,4日間連続投与すると,自発運動に対する効果に対して耐牲が全ての薬物についてみられた.一方eptazocineの自発運動亢進作用は,apomorphineにより増強され,haloperidol,α-methyl-<I>p</I>-tyrosineおよびdisulfiramによって,拮抗された.一方pentazocineの自発運動抑制作用は,apomorphineで拮抗された.morphine20mg/kg,s.c.の自発運動抑制作用はapomorphineおよびhaloperidolで拮抗された.以上の結果により,eptazodneの自発運動におよぽす薬理作用は,pentazocineおよびmorphineと異なっており,耐性形成能も弱いが一部オピエート受容体を介しており,さらにcatecholamineニューロンの関与も示唆された.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
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