ラットにおける<I>l</I>-アドレナリン血圧反応の性差
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概要
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成熟ラットにおける<I>l</I>-アドレナリン血圧反応の性差(友利,1986)について正常ラットと去勢ラットを用いて検索した.血圧はtail-cuff法により測定した.雄ラットの<I>l</I>-アドレナリン50 μg/kg皮下注射による持続的血圧上昇は,フェントラミン50 μg/kg皮下投与によりほぼ完全に拮抗され,雌の血圧は低下傾向となった.プロプラノロール200 μg/kg皮下注射前処置により<I>l</I>-アドレナリン投与後の昇圧反応が増強されたが,雌においてより著明であった.クロニジン20 μg/kg皮下注射前処置後,<I>l</I>-アドレナリンにより雄の血圧は上昇,雌では下降した.去勢後3週で雄の血圧は有意に低下したが,<I>l</I>-アドレナリン昇圧反応パターンの変化は小であった.しかし,クロニジン前処置後の<I>l</I>-アドレナリンにより,去勢雄ラットの血圧は下降に転じた.ヨヒンビン1 mg/kg皮下注射前処置後の<I>l</I>-アドレナリン血圧反応は,雄は血圧の持続的上昇,雌は一過性の上昇を示した.去勢ラットにおいては,ヨヒンビン前処置後<I>l</I>-アドレナリンにより,雄の血圧は下降,雌は30分以降わずかに上昇した.これらの結果から,<I>l</I>-アドレナリン血圧反応の性差に中枢性機序の関与する可能性,これにエストロゲンよりもアンドロゲンの関与が大きいことが示唆された.
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